NHKビジネスクリエイト

NHKビジネスクリエイト

スポーツ中継の裏側
〜 BS運行対応 〜

スポーツ中継の裏側
〜 BS運行対応 〜

NHK BS1では、国内外の多彩なスポーツを放送し、海外で活躍する日本人選手も積極的に取り上げています。NHKビジネスクリエイト(NBC)の編成事業部はBS1のスポーツ中継に関連する業務をNHKから受託し、29年度からさらに業務が拡大しました。
大きなポイントは、「土日祝日の日勤時間帯および宿泊勤務時間帯のBS運行対応」。衛星放送の編成デスク業務として、BS1・BSプレミアムの放送番組の運行監視、特にスポーツ中継の終了時間決定などの対応をすべて担当することになりました。これまでも平日日勤時間帯のBS1のスポーツ運行対応は時間を限定して行っていましたが、その時間帯が24時間対応に!これは新たな挑戦です。
放送局側から見て、スポーツのだいご味でありながら弱点ともいえるのが、「試合ごとに毎回違ったドラマがある=終了時刻が未確定である」という点です。編成事業部の運行担当者は、「予定通りの時間で終了するか」それとも「大幅な延長になるか」と、あらゆる状況を想定し、中継終了後の対応がスムーズに行なえるよう、緊張と背中合わせで業務にあたっています。

中継終了時刻はどのように決まる?

実際、「運行」とはどういう仕事で、中継終了時刻をどのように決めているのか、プロ野球ナイトゲームに密着してご紹介します。

プロ野球「ロッテ」対「西武」
2017年7月28日(金)
【101ch】午後6:10~(9:50)
【102ch】午後9:50~(10:00)

スポーツ中継を放送するとき、担当者はすべての番組を送出しているコントロールルームで業務を行います。野球ナイトゲームの放送がある日、ドーム球場でない場所での試合では、試合前に現地の天候を確認します。荒天でスポーツそのものが中止になると、代わりの番組を放送する必要があるためです。現地が晴天だとわかるとひとまず“ほっ”と一安心。担当者は「代案表」という資料を手元に置きます。これは、スポーツが中継予定時刻より早く終了する(早終)場合や、予定時刻を越えて延長する(延伸)場合の放送計画が書かれたものです。無事試合が始まると、担当者は試合の進捗を見ながら、中継終了時刻のめどを立てていきます。

中継終了時刻はどのように決まる?

午後8:30

試合終盤、野球の進捗が早い場合は午後8時50分すぎに送出する予定のニュース(1分40秒間)が中継終了後の放送(10分間)になることもあり、NHKのニュース担当とも進行状況を共有しつつ、違う意味で手に汗を握りながらBS1の中継を見つめます。

午後8:30

予定より早く終わりそうな場合は、マルチ編成(※1)の102chで野球を放送するのかしないのか、早終時の対応を意識します。101chで終了する場合は、5分刻み(※2)で終了時刻が設定されます。102chに移行した場合は、1分刻み(※2)で終了時刻が変わっていきます。ところが、途中までは早い展開で進んでいた試合も、乱打戦になったり、逆に同点のまま次の1点が入らない展開になったり。試合が終わらなくなると、延伸時の対応になります。

※1「マルチ編成」・・・
同じBS1の中で101chと102chにチャンネルを分け、 2つの番組を同時に放送すること。
※2「5分刻み」・・・
スポーツの中継終了時刻は競技の進行に伴って刻々と変動しますが、その変動が00分、05分、10分というように、5分ごとにずれていくこと。00分、01分で終了を構える「1分刻み」の場合もあります。

代案表

午後9:25すぎ

ゲームセットが近づいてくると、中継の担当プロデューサーと連絡を取りあいます。この日は午後9時29分に電話、試合終了後にヒーローインタビューが入り、午後9時35分に中継を終了することを決めました。

午後9:25すぎ

すぐに、決定した中継終了時刻をコントロールルーム全体に響き渡るマイクで周知します。

午後9:25すぎ

この日は101chでの放送が15分早終するため、代案表にあるスポーツ中継以降の番組が想定通りに放送されるように登録を変え、EPG(電子番組表)画面の編集を行うなど、無事に放送終了できるよう作業を行いました。ちなみに、延伸の場合は予定していた番組の放送時刻の変更や休止について、“おことわり”のテロップを出して視聴者にお伝えします。

午後9:35

午後9:35

BS1 スポーツ中継の裏側

信頼される運行のプロ集団を目指して・・・

進め方を間違えると放送にトラブルを起こしてしまうため、そのプレッシャーは慣れている担当者でもなくなることはありません。29年度の業務拡大にあたって、社員全員がスキルを向上させ、安心して業務を行えるよう、マニュアルの作成、勉強会や実地訓練の実施、泊まり・日勤時のサポートなど、様々な取り組みを行いました。引き継ぎの時には、NHKのスポーツ担当からNBCの運行担当者に対応を説明してもらい、NBC内でも管理職と最終確認を行います。疑問点ゼロの状態で業務にあたれるようにしています。対応中に生じたヒヤリ・ハットや疑問点などは業務報告書に記入して共有し、対応策を周知しています。
放送を支える運行業務は、責任のある、とてもやりがいのある仕事です。社員一人一人の努力と臨機応変な対応の甲斐あって、ここまで順調に業務を行ってきました。NHKの信頼できるパートナーとして、今後もさらなるスキルの向上と、より安定した体制を構築する予定です。